360度ストレッチ with リカちゃん |
人体には100以上も骨格筋があります。
筋肉は骨と骨(または筋膜)をつないで、縮むことで関節を動かします。関節には複数の筋肉がくっついて共同運動をしています。
多方向に伸びる筋肉がそれぞれ別々の方向に収縮するとき、その関節は最大の力を発揮できます。関節の可動域が重要なのです。
全身の筋肉も共同運動しています。指を1本上げるだけでも、あらゆる筋肉が微妙に収縮します。
各関節の可動域が広ければ広いほど、しなやかで多彩な動きができるのです。
「360度リョコちゃんストレッチ」はあらゆる関節の可動域を広げるストレッチです。筋肉をひとつひとつイメージしながら、いろんな方向に伸ばしましょう。 |
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可動域を広げるには・・・ |
小刻みに角度を変えながら、痛みが出る角度を探します。その角度を10秒間保持、「イタタタッ!」とこらえます。
痛みがとくに激しいときは10秒を6回、1分間がんばります。痛みを出して治療するのです。
「あまり無理をしないで、ちょっとだけ無理をする」のがコツですが、脂汗が流れるほどの痛みに耐えても大丈夫です。
自分で自分の首を絞めて殺せないように、身体が限界を知っています。ゆっくりやれば壊すことはありません。 どの角度でも痛みが出なくなったらスイスイできるようになります。
毎日ちょっとずつがんばって、美しい姿勢と素早い動作を手に入れましょう。
*リカちゃん人形のおかげで視覚化できました。リカちゃんは可動域が狭いので、想像力でおぎなってくださいね!
→Q24「正しい歩き方とは?リョコちゃんウォーク」と、Q21「ストレッチの効果は?」もあわせて参考にしてください。 |
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ライフスタイルに合わせて組み込む |
いつやるか、どういう順にやるかは、自分のライフスタイルに合わせて決めてください。
私の場合は、いったん活動を開始すると、もうストレッチをする余裕がなくなるので、「ストレッチが終わるまで、朝ごはんを食べられない」と、自分に縛りをかけてやっています。
朝のまどろみの時間を利用して、まず「おふとんでごろごろ」からはじめています。そのまま床に坐って「真向法」などをつづけることもあります。立位でやるストレッチは犬の散歩中にもやれます。
初心者の方や時間のない方は、3つのパターンを別々に、日替わりでやるのもいいでしょう。 |
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つらいポーズをがんばる |
すいすいとストレッチができる角度は、その筋肉が充分柔らかいということです。痛くて苦しい角度は、その筋肉が硬くなっている証拠です。そこを重点的にストレッチしましょう。
「これ以上は無理かな?」と思っても、そのままの姿勢でじっとしていると、もう少し曲げられます。
痛い角度は1分ぐらいがんばりましょう。苦しいときは、10秒ずつとか小分けにするといいですよ。
あまり無理しない程度に、「ちょっとだけ無理をする」のがコツですが、「やり過ぎ」の心配は無用です。
自分で首を絞めて自分を殺せないように、ゆっくりやれば壊すことはありません。
もし壊しても、鍼灸治療ですぐに治せます。古いコリを一掃するチャンスでもあり、驚くほど身体が軽くなります。 |
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自分の身体を把握する |
自分の身体に張り巡らされている百の骨格筋を、あなたはいくつぐらい認識できているでしょう。
ストレッチをすると、「この角度は楽チンだ」「この角度は苦しい」と、自分の筋肉の状態を知ることができます。
関節に痛みがあったら、そこにつながっている筋肉を探りましょう。
カチンカチンに硬くなっている筋肉があるはずです。
「痛む部位を守ろうとして筋肉が硬くなる→硬くなって縮まって付着部を引っぱる→悪化する」という悪循環がおこっているのです。
筋肉は縮むことで働くので、どういう動作にどの筋肉が使われるのか、収縮を手で触って確認もできます。
そこを重点的にストレッチをしましょう。 |
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ストレッチで患部を治す |
ストレッチの治療効果は、①悪くなる前、②悪くなりはじめ、③治りかけのときに発揮します。
①は日ごろの努力です。つづければ誰でも若返っていきます。
②は痛みが出はじめたタイミングです。痛みをこらえて思いっきり伸ばすと、そのまま治ってしまう場合があります。
③の「治りかけ」のタイミングですが、正確に判断するのはちょっと難しいです。
まだどん底だったら無理は禁物。こじらせる危険性があるからです。
「もうちょっとで治りそう」というときに、痛みをこらえてストレッチをしたらそのまま完治、そういう例はたくさんあります。 |
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筋トレを兼ねる |
年を取って、テニスのフォームが崩れていく、ゴルフで飛距離が伸びなくなる・・・原因のひとつは柔軟性の低下です。筋肉が癒着し、大雑把な動きしかできなくなってしまった結果です。
360度ストレッチは、それぞれの筋肉の走行にしたがって、それぞれ別方向に可動域を広げ、柔軟な身のこなしを手に入れることができます。
同時に筋力を向上させることができます。
立位のストレッチでできる筋トレは「ふんばる」力です。
意識するのは、軸足の安定。片足1本で身体を支える訓練にもなり、テニスやゴルフのときの軸足の安定にもつながります。
ふんばる筋力を鍛えれば、どんな姿勢で着地しても、怪我をしない身体をつくることができます。
身体をそらすときは腹筋、背筋も鍛えられるし、軸足の筋肉、体幹の筋肉などの筋トレも兼ねているという、一石二鳥のストレッチなのです。 |
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ストレッチをつづけた私の変化 |
立位での前屈で、指先が床についたことのなかった私ですが、ストレッチをはじめて半年たったころ、手首が床につくようになりました。1年でスピンサーブが打てるようになりました。
3年たったある日、歩き方が変化し、腰から足が出ていることに気がつきました。まるで外人のようです。
ずっと、かかとをひきずって歩く癖があったのですが、いつの間にかちゃんと歩けるようになっていました。
5年を過ぎてぎっくり腰になったとき、両足をそろえての前傾姿勢だけができませんでした。
盲点に気づき、真向法を追加しました。床に坐っての開脚で、顔が床まであと10センチのところまできていました。( 私のブログ、2016/5/6)
1年後(2017/5/28)、『もしや?』と思って頭を下げてみたら、おでこが床につきました。今年になって(2019/2/22)、床にキッスできるようになりました。 |
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やりすぎて壊したあとは、いきなり若返る |
6年半目、娘と一緒にストレッチをやったときに、どうしてもほぐれなかった硬い筋肉が伸ばせるポーズを発見。
新しいストレッチ(★ムーブメント#18)をはじめました。(私のブログ、2017/8/25)
一気にほぐそうとハードにやり過ぎ、右太ももの内転筋(半腱様筋)を痛め、次いで、すぐとなりの内転筋(薄筋)を壊しました。
そのあと、まるで津波に襲われたような状態になりました。あちこちに不具合が続出。ひどい腰痛に次々に襲われ、身体の重さにも苦しみました。
最後に梨状筋の治療をしてもらったあと、羽が生えたように身体が軽くなりました。(私のブログ、2017/10/7)
2ヶ月間の「集中工事」は終わりを告げ、その後も改良を重ねました。
「おふとんでごろごろ」ストレッチを思いついた(2017/9/3)あと、最近では中上級、ほぼ痛みなくやれるようになりました。
360度ムーブメントストレッチが完成し、現在は信じられないほど快調です。
Q21:「ストレッチの効果は?」を参照してください。 |
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