1/31(金) |
怪我のおかげで大胸筋を再発見 |
事故から5週間が過ぎて、胸骨の痛みはかなり軽減した。壊れていることを忘れていられる時間帯も多くなった。
おふとんを干したら悪化した話はしたよね。できなかった動作は・・・ |
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① 両手で重いものを持ち上げる。 |
(肩関節の前方挙上) |
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② 後に両手をついて、お尻を持ち上げる。 |
(肩関節の内旋) |
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③ コーヒー缶の蓋をギュッと閉める。 |
(肩関節の内転) |
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両方の大胸筋を同時に使うと、患部を引っぱっるので痛みが出る。
でも痛みはかすかになってきて、だんだん力を入れられるようになってきた。
片方の大胸筋しか使わない動作でも、大きな負荷がかかると難しい。 |
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④ ドアをスライドさせる |
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片手で重い扉(車のスライドドアと治療室の鉄のフェンス)を動かそうとするとき、怖くて力が入れられない。
・・・これは、まだ不安が残っている・・・
これって、スライスを打つときの動作と同じなんだよね! |
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怪我のおかげで、大胸筋を再発見した。
去年のテニスで苦労した肩の痛みは、大胸筋が元凶だったと判明したのである。
しかも、一番古~い、最初の古傷もこれだった!
自分の肩が完全じゃないと気づいたのはおととしの7月、キラキラ星のストレッチを思いついた時である。
(→2018/7/17) |
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おふとんに横たわって、両足を前後に大きくひろげたまま、腕を360度方向に伸ばす。
肘や手首の角度を変えると、ストレッチできる筋肉が変化するので、肩関節につながるあらゆる筋肉がストレッチできる。
半年ぐらいかかったけど、キラキラ星ではまったく問題がなくなった。
(今回もすぐに大丈夫になった) |
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入れ替わるように、「アラーの神」で問題が出るようになった。
這いつくばって、両腕を思いっきり伸ばすときに、肩が抜けそうに痛む。
それが今回も残っている。 |
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「アラーの神」で伸ばされる筋肉は大胸筋(■)なのである。
ストレッチで症状を類推できるといういい見本で、今後の参考になるね。
大胸筋(■)は、上腕骨にくっついて、肩関節の内転、前方挙上、内旋を行っている。
付着部(■)が肩関節を引っぱって、肩に痛みが出る。 |
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■大胸筋
■上腕骨への付着部
■メインの患部
■小胸筋 |
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ついでに紹介した小胸筋(■)は、大胸筋の内側にあって、肩甲骨の烏口突起にくっついている。
上腕二頭筋などが付着している部位である。
去年の春から、右肩の古傷を根治させようと、鍼を打ちつづけていた。
肩関節は構造がとても複雑なので、古くなると治療が難しい。
古傷を掘り返すと、いろんな痛みが次から次へと現れてくるのである。
肩関節につながる筋肉をすべて痛めて、その都度必死で治療をした。
患者さんの治療なら全体が見渡せる。空から森を見ることができる。
でも自分の治療は、森に中に入り込んで、この木、あの木と、1本ずつしか見れない。
森の中を駆けずり回って目印をつけ、地図を作るような作業である。
今回の怪我のおかげで、なんだか森の中から抜け出して、外から全体を見れるようになった感じがする。
実は12月に入ってから、肩の不調から解放され、テーピングなしでテニスができるようになっていたのである。
最後にやったのが、大胸筋(と小胸筋)の治療だった。
でも、まだ完全じゃなかったらしい。
もしも、私の大胸筋が健全だったら、柔軟な筋肉で衝撃を吸収できたかもしれない。胸骨を壊すこともなかったかもしれない。。。
でも、大胸筋を再発見できた。
この数年、あちらこちら、肩から腕へのあらゆる筋肉を痛めてきたけど、一番の古傷の正体が判明したのは大きな収穫だった。 |
① はじめて肩を痛めたのは、10年以上前・・・ |
スマッシュ練習をしていて、コーチに「みづさん、そんな打ち方をすると肩を痛めますよ」と予言され、その通りになった。
屈筋(大胸筋と上腕ニ頭筋)を使って強打しようとしたからだ。
そのときは五十肩と思って、無理な治療をしなかった。
ほころび(■)を残したまま、痛みを眠らせてしまったのだ。 |
② 自己流スライスで・・・ |
2012年に自己流スライスで傷めたのもここ(■)。
数年後、ニキシマのコーチに、「肩を開いて打つと傷めるんですよ」と言われ、肩を閉じて、両手を交差させるように打つことを教わった。 |
(去年の夏ぐらいから、肩の痛みでスライスが打てなくなっていた) |
③ サーブのバイエル10番で・・・ |
スライスサーブのフォームの構築を「バイエル1番」からはじめた。
身体を使わず、腕だけでスライス回転をかけるのが、バイエル10番だった。やっているうちに、肩の古傷(■)が痛みだしたので、やめた。 |
(サーブもスマッシュも伸筋を使うのが正道なのだが、難しい。それでもトライするしかなかった。
結果、ラッキーに転じている) |
④ 去年の夏、バックハンドの強打で・・・ |
フォアが打てないときに、バックハンドで強打しているうちに、左肩が痛くなった部位がここ(■)。大胸筋を酷使したせいだったことが分かる。
力まずに回転をかけるようにしたら、次第に沈静化していった。 |
⑤ 去年の暮れ、最後に残った痛みが・・・ |
ついに右肩の同じ部位(■)に痛みが起こって、しばらく両肩にテーピングをしていた。 |
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鍼灸治療をしていると、あとから悪くなったところから先に治っていく。
最後に残ったところが、最初に傷めたところ。。。まさに、ドンピシャだった。
はじめから大胸筋に着目していれば、何ヶ月も苦労しなくてよかったんだね。
でも、しょうがない。人間は成功よりも、失敗からより多くを学べるんだもの。
この間、全豪オープンでたまたまクビトバのスローモーションが映っていた。
「こんな風に、ヘッドを走らせて、ボールに回転を与えているんですよね」と解説者が言っていた。
身体全体を使って、ラケットを勢いよく振りだしていく→腕を止める→手首が固定されて→ラケットヘッドが走る。
大胸筋はブレーキの役割をしていた。
今年になって、フォアのスピン量を増そうとしてきたから、ブレーキ役の大胸筋に負荷がかかって、古傷(■)に負担がかかったのである。
メインの痛みははじめに傷めた左から、右胸に移っている。
反対側に痛みが移るのはいい兆候で、完治目前の証拠と思っていたけど・・・
それだけじゃなく、一番の古傷(■)に不具合が集中したらしい。
去年1年間、右肩の不調をくり返しながらも、なんとか休まずにテニスができた。けっこう「やり切った」感がある。
去年休むはずだった時間を、今まとめて休暇を取っていると思う。
現在、患部(■)の痛みはかなり軽減されて、両肩のあちらこちらの痛みのほうが気になている状態。
もうテニスができそうだけど、今週一杯はお休みすることにした。
しっかり大胸筋を治療して、肩の不調から足を洗い、「災い転じて福となす」で終わりたいものである。 |