症例68・口内炎
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<特効穴「上曲池」へ透熱灸>
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「上曲池」、指圧でも口内炎が縮んだ
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夜中に口内炎の痛みで目が覚めました。ベロの左側にでっかい塊があって、ものすごく痛いのです。先っぽにはときどきできるのですが、小さくてそれほど痛まず、放っといてもすぐに治ったのですが・・・
あまりの痛みで眠ることができません。『そういえば、上曲池へのお灸が効いたなあ』と思い出しました。
「上曲池」は大腸経の経穴「曲池」からちょっと上方にあります。
左腕( )に手をやると、筋肉がガチガチに硬直していました。
(サーブ練習のトスのせい?)
起きてお灸するのも面倒なので、グイグイと指圧をしました。 |
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なんと、みるみる塊が小さくなって、とりあえず痛みから解放されたのです。
それで昔の患者さんの症例を紹介することにしました。 |
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内臓の不調、胃もたれ、そして口内炎
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食べ過ぎで胃を壊すと、口の端が割れたり、舌がザラザラしたりします。胃の状態に連動する口内炎もありそうです。
1993年9月に来院したNさん(当時66歳、男性)の主訴は右肩こり(■)でした。ときどき首(■)まで痛くなったり、頭(■)が重くなったりするそうです。週1の治療で首肩こりはすぐに良くなってくれたのですが、神職をこなす体力と元気がなく、胃(■)がもたれて「食べる気になれない」とのことでした。
内臓(■)にあちこち問題を抱えていました。
腹部全体が力なくゆるんでいて、グーッと押すと、深いところに圧痛がありました。
20代で胃潰瘍の手術を2度経験しました。
7.8年前には肺結核にかかり、排菌していたので1年3カ月入院したそうです。
慢性肝炎もあって、肝臓の薬も飲んでいました。 |
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4回目に「大分調子がいい。お腹がすくようになってきた。何人かの人に『元気そうですね』と言われた」と報告してくれました。
6回目、10年以上前から口内炎(■)に悩んでいるという話を聞き、「上曲池」に灸点紙を敷いての透熱灸(多壮灸)を始めました。
7回目、口内炎が出血しなくなったそうです。食欲も出て、「蕎麦一杯ぐらいじゃ満足しなくなった」と報告してくれました。 |
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10年越しの口内炎が治った
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Nさんの主訴は胃のもたれと口内炎になり、一進一退ながらも、だんだんに改善されて行きました。
「上曲池」への透熱灸は毎回行いました。Nさんの口の中を覗いたことはありませんが、舌を中心に口腔全体とのことでした。右腕にしたり、左腕にしたり、ときには両側と、そのとき気になったツボを選びました。
21回目(6カ月後)、10年ぶりに七味が食べられたそうです。「お蕎麦に七味、お刺身にワサビ、ほんとうに美味しいですね」と喜んでくれました。 |
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体力低下?細菌やウィルス?原因はさまざま
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口内炎にはいろいろな種類があるそうです。おできのような塊は何度も経験しましたが、舌が真っ赤に腫れる口内炎に苦しんだことがあります。
20代のころはしょっちゅう風邪を引いていました。1年半スペイン語のラジオ講座で孤独に勉強したあと、誰かと使ってみたいと日本スペイン協会がやっている講座に申し込みました。そのタイミングで、宿敵「風邪」がまたもや私の足を引っぱりました。
当時は葛根湯を愛用していました。高熱が出て、引いたと思っても数日後にまたぶり返します。くり返すたびにどんどん体力が低下していき、ウィルスと戦うパワーがなくなっていくのがわかりました。週5のレッスンをときどき休みながら、必死で市ヶ谷に通いつづけました。
1カ月近くも風邪に翻弄されたあと、口内炎ができました。口の中のあちこちが痛んだのですが、とくに舌が真っ赤に腫れ上がりました。痛みで舌を動かせないのです。せっかくスペイン語で会話できる機会ができたのに、痛くてしゃべることもできなくなったのです。
病院でいろんな薬をもらい、薬を塗っても治る気配もありません。友人が「口の中を清潔にするといいらしい」と教えてくれ、必死に歯磨きをしました。
1カ月以上も苦闘したのですが、あのとき鍼灸を知っていればなあ・・・とつくづく思います。 |
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